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探しても、すぐに仕事が決まるとはかぎらないから、早く動くわ」ちょうど、バブルがはじけた後で、景気がまつ逆さまに急降下し始めた時期であった。
なんとかペーパー試験に通り、面接にたどりついたとしても、「やはり、男性がほしいんだよね」だったら、なんで面接に呼ぶんだ!「あれっ・結婚してるの?」面接官が、履歴書の既婚の欄に気づいて、素っ頓狂な声をあげる。
「はい」「ダンナさんの仕事は?」「はい」「公務員です」私が勤めていたのは出版社であったが、作っていたのはミニコミ誌のようなものだったし、働きはじめてまだ3年目。
業界内に頼れるほどのコネや人脈はなかった。
自力でイチから仕事を探すしかなかった。
新聞や雑誌にこまめに目を通し、セッセと履歴書を送った。
すぐに、想像以上に道は険しいことを知る。
「出版社」と名のつく求人は、どんな小さなものも見逃さなくなっていった。
目敏くなって、校正マンとしてもアピールできるようになったほどだ。
なのに、ことごとく落ち続けそれで落選決まりだった。
気力、体力があるのに仕事がない、という状態は、かなり焦る。
「なんで仕事したいの?奥さんをやればいいじゃない」私の実家の家族、夫の両親、企業の面接官、バリバリOLの友人たち、要するに周囲の誰にも、私の焦りは理解されなかった。
今なら、リストラにあい、再就職に苦労しているサラリーマンが大勢いる。
ハローワークにでも出かけて行けば、共感し合う仲間にたくさん出会えただろう。
だが、私は時代を先取りしすぎていた。
私のような企業社会の落伍者に、温かい目を向ける雰囲気はどこにもなかった。
しかも、私は女。
女性は若くして結婚←退職の道を選べば、次は、妊娠←出産←子育て、と進まねばならなかったのだ。
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